ドアを開けたら・・・

気楽にドアを開けたらニュースの林…  3つのブログをまとめました

長く続く道



今の仕事につくまで、介護という世界を漠然とでも分かっているようで分かってなくて、
それに全くといって良いほど接点もなかったから、
友達が自分の会社へひっぱってくれなかったら、
ヘルパーの資格を取ろうとも思わなかっただろう。

ヘルパーの資格を取ってからは事務をしながら生活援助などもするようになり、
利用者の方も数人ほど担当できるようになった。

一昨日、その利用者の方が亡くなられ、心の中に悲しいしこりが残っている。
「足がむくんで変なんよ。」 「病院で診てもらわないとだめよ。」
「目もかすんで見えんようになった。」 「この前貰った目薬は使ってる?」
そう聞くけどヘルパーは医療行為はできないから、
目薬をさしてあげることも湿布を貼ることもできない。でも友人だったらできるのにね。

「ごめんね。私はできないのよ。」 私が彼女に言った最後の言葉だ。

左手で彼女を抱きながら右手を持ち、庭の花を見て歩いたっけ。
住宅地には春の花が満開だった。
そして今、彼女の細い身体にまわした手の感触、なんとなく覚えてる。


人生は長く続く道で、色んなことがあるんだろう。
登ったり下ったり、まっすぐだったりクネクネ曲がってたりするんだろう。
私はそんな道を歩いているのかな・・・ ふとこの道をみてそう思った。